虫歯とは主に砂糖が腐って歯が溶ける病である。

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虫歯とは主に砂糖が腐って歯が溶ける病である。

歯医者についてのあれこれ

2019/12/16 虫歯とは主に砂糖が腐って歯が溶ける病である。

 

ガムのCMで『酸が虫歯の原因です』と謳っております。
では『虫歯の原因の酸』とは『どんな酸』でしょうか?

 

硫酸、硝酸、塩酸etc.etc.酸は色々とあります。
どうして酸の名前を明言しないのでしょう。

 

口腔内で細菌が産出する酸ですから、食品由来のモノに決まっています。頻繁に食べる食品のうち酸になりやすいものとなると、酢酸と乳酸が候補に挙がってきます。

 

酢酸はお酢に含まれている酸です。虫歯が出来ると酸っぱくなるという話は聞いたことがありません。ですので、虫歯の主原因は乳酸です。実際、世間一般で虫歯菌と呼ばれるストレプトコッカスミュータンスは、砂糖から乳酸とムコ多糖を産出し、虫歯の主原因であることがわかっています。

 

それでは何故虫歯の主原因は乳酸だと明言しないのでしょう?

 

学生時代に色々な文献を漁ったのですが、どの文献も何故かその辺りの明言を避けているのです。その原因を調べていくとストレプトコッカスミュータンスは、乳酸菌なのかという点に行き着きます。私が調べたところ『ストレプトコッカスミュータンスは、砂糖から乳酸を産出するが、乳酸菌ではない』という趣旨の言葉が綴られていました。

 

……意味不明です。

 

そして更に調べてみると、ストレプトコッカスミュータンスは、腸内細菌でもあり、こちらでは乳酸菌として扱われています。

 

……ますます、意味不明です(^^;。

 

学生時代から頭を抱えておりましたが、 乳酸菌について調べなおして分かったことがあります。

乳酸菌の定義が微妙に変化しているのです。おそらく虫歯の原因を議論していた時代の定義では、明言できなかったのでしょう。

 

細菌学などでは『乳酸菌は乳酸を産出する菌の総称』という意味で定義されています。

より専門的には細かい定義がありますが、素人的にはそう思って間違いはないでしょう。

 

これに対し味噌やヨーグルトなどの食品を作る食品業界では、乳酸菌を『乳酸発酵する菌の総称』という定義で用いられています。

これが時代や技術の変遷によるものなのか、業界の差異によるものなのかは、分かりません。

 

問題は産出と発酵の違いです。菌が産出するものが人間にとって有益だった場合に、発酵と呼ばれます。

産出するものが無益だった場合は腐敗となりますす。言い換えると、腐るわけです。

 

ここで問題なのは、人間にとって有益か否かということは、極めて恣意的なことです。
客観性がなく、学術的ではありません。更に言えば科学の進化で『人間にとって有益』も変化しています。

 

例えばユーグレナがジェット燃料を産出することは発酵と言っていいのでしょうか?
細菌を使って重金属を回収する研究がありますが、それは発酵なのでしょうか?

 

人間にとって有益なのは間違いありませんが、少なくとも我々が考える発酵のイメージとは遠く離れてしまっています。

 

このような現状があるため、発酵や乳酸菌という言葉自体が学術用語として使われなくなっているようです。

 

しかし食品業界では明確な基準があります。発酵ならば美味しく食べられますが、腐敗だと食べられません。

例えば納豆は消費期限までは食品ですが、それを過ぎると腐敗物になるわけです。

 

余談ですが、このことを知人に話したところ、納豆ぎらいな関西出身者に「納豆はもともと腐った豆だ」と主張されました。

これに対し、納豆好きな関東出身者に「消費期限を切れたころの納豆のストロングな匂いがいいんだ」と主張されました。

 

……発酵と腐敗の境目が如何に恣意的に決まるかの証左ですね(^^;。

 

状況を整理しましょう。

乳酸菌が『乳酸を産出する菌の総称』という定義ならば、ストレプトコッカス・ミュータンスは、いかなる時でも乳酸菌です。

乳酸菌が『乳酸発酵する菌の総称』という定義なら、ストレプトコッカス・ミュータンスは、状況によって乳酸菌ではなくなるわけです。

そして、学術用語としては乳酸菌は定義が不確かなため、現在ではほとんど使われておりません。

これに対し、食品業界では乳酸菌という単語は現役です。

つまり現在乳酸菌は、『乳酸発酵する菌の総称』という意味でしか使われていないのです。

 

腸内でストレプトコッカスミュータンスが乳酸を算出するのは、消化において有効です。

つまり有益です。だから発酵です。よって乳酸菌です。

 

しかし口腔内でストレプトコッカスミュータンスが産出した乳酸によって歯が溶けるのは、人間にとって有益ではありません。

 

したがって口腔内でストレプトコッカス・ミュータンスが砂糖から乳酸を産出するのは、発酵ではなく、腐敗ということになります。

 

だから、口腔内ではストレプトコッカス・ミュータンスは、いくら乳酸を産出しても乳酸菌ではありません。

 

つまり、口腔内では『ストレプトコッカス・ミュータンスは、砂糖から乳酸を産出するが、乳酸菌ではない』ということになるのです。

 

砂糖が口の中で腐り、産出された乳酸が歯を溶かし、虫歯になるからです。

 

だから『虫歯とは主に砂糖が腐って歯が溶ける病である』と定義することができるのです。

 

ただ、ここで腐るという単語を用いると、砂糖や乳酸のイメージが悪くなります。
ガムのCMには使えそうもありません。

もし使うとなると、お菓子業界を筆頭に、幾つもの業界からクレームが来ることでしょう。

 

 

……明言しないのが、正解なのでしょう(^^;。

 

 

 

 

写真は、ナデシコ、テルスターです。
丈夫な花で何度も咲いてくれます。
赤い花と白い花の二つの株を同じプランターに植えたのですが、何故か紅白交じりの花が咲きました。

 

……奇麗だから、気にしないことにします(^o^)。

 

 

 

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