メイド喫茶後悔記

こばやし歯科医院

03-3388-7887

〒164-0001 東京都中野区中野5-66-3 木村ビル3F

診療時間/10:00 〜 13:00 15:00 〜 20:00 土曜のみ午後診療14:30~17:00 定休日/木,日,祝

メイド喫茶後悔記

雑記

2020/09/08 メイド喫茶後悔記

 

突然だが、私はオタクです(^o^)。
それもオタクという言葉が生まれる前からのオタクです。

 

……なりたくてなったわけじゃないんですけど(T_T)。

 

『オタクになるのではない。オタクに生まれるのだ』と、どこぞの哲学者の言葉のもじりを聞いたことがあります(^^;。

 

どのくらいオタクかというと、少なくとも周囲は、『あいつはオタクだ』と思われるくらいには、オタクです。

 

十数年前、診療所を開業した年のことでした。
幸いにも縁がありまして、生まれ育った地元で開業できました。
ただ地元といっても、バブルからこちらの様変わりは激しく、住んでいた人の半分はどこぞへ引っ越しており、なにより地元の商店街が壊滅しているため、学生時代の友人に会うことは、滅多にありません。

 

それでも、私が開業したことを聞いた中学の時の友人が、わざわざ電話を掛けてくれました。

 

そして、開口一番、こう言いました。

 

 

 

「小林、お前、メイド喫茶を開店したって本当か!」

 

 

 

……友人が、私をどういう目で見ているのか、よくわかります(T_T)。

 

この場合、メイドバーとか、メイドさんがいるゲームセンターとか、メイドさんがいる風俗店とかと言われなかっただけ、喜ぶべきだったんでしょうか(^^;。

 

 

ちなみに、私の診療所の近所には、上記のお店が全て存在します(^^;。
メイドバーは当院の入ったビルの5Fで営業中です。

 

……『なんで?』と聞かないでください。中野だからとしか、言いようがありません。

 

なお、『スタッフの制服は、メイド服だろ?』という質問は、数件ありました(T_T)。

 

よっぽど厭味でバトラーの格好で治療してやろうかと、思ったほどです。

 

……モーニングの値段を調べて、諦めたのは内緒です(^o^)。

 

ともあれ、私はオタクです。
メイド喫茶に興味がないというと嘘になります。
幸か不幸か、メイド喫茶は近所にあります。

 

開業した後、オタク仲間の友人と遊びに行きました。
メイド喫茶が今ほどポピュラーになる前の話です。
我々が行ったメイド喫茶A(仮名)は、紅茶をメインにしたメイド喫茶です。
店内は、ファンシーというか少女趣味というか、些か形容に苦しみますが、お店の趣旨を考えればどうこう言うのは筋違いでしょう。
ただ、30過ぎたオッサン(当時)が連れ立って行くには辛い感じです(^^;。

 

それでも行ったのは、好奇心が勝ったと言うべきでせう。
ともあれ、私と友人が行ったのは、平日のランチタイムが終わった頃で、客は我々二人の他に一人いるだけです。私がパスタと紅茶を、友人はピラフと珈琲を頼んだと思います。

 

料理は美味しかったのですが、量は些か少なく、食器は実用性よりも趣味性を優先していたため些か使用に難がありました。しかし、メイド喫茶の趣旨を考えると、それに文句を言うのはおかしいでしょう。
ウェイトレスさんというか、メイドさんの接客はそつが無く、私も友人も『メイド喫茶以前に、接客業としても大したものだ』と評価は二重丸でした。
これなら、こっちに来たときには、また来ようかと友人と話しているとき、事件は起こりました。

 

我々の他に居たお客さんが、メイドさんに話しかけたのです。

 

そのお客さんは、20代前半ぐらいのやせぎすな方でした。
ただ、格好がバンダナを頭に巻き、厚いレンズの眼鏡をかけ、Tシャツに洗いざらしのGパンを着ていました。バックは、何を入れているんだと突っ込みたくなるくらいに膨らんだショルダーバックです。

 

……何処をどう見ても、立派なオタクです。

 

行くところに行くと、『お前ら量産でもされているのか!』と突っ込みたくなるほどいる格好です。昨今は流石に数が減りましたが、世間一般のイメージするオタクの人です。
彼は、テーブルを拭いているメイドさんに、こう声をかけたのです。

 

『Fさん(メイドさんの名前)……今日の……日替わりの……お茶はなんですか……』

 

『今日はダージリンです』

 

『日替わりのお茶って……何種類ぐらい……あるんですか……』

 

『20種類ぐらいです』

 

『そんなに……あるんだ……明日は……』

 

『セイロンです』

 

『全部……制覇するの……大変だ……』

 

彼の声は言うまでも無く、たどたどしく、途切れ途切れでした。

 

……どうみても女性と話すことに、慣れていません(T_T)。

 

いや、それ以前に人と話すことに、慣れていません。
おそらく、本人は、さり気無く気さくに話しかけたつもりなんでしょう(T_T)。
でも、無理して話していることが、周囲にはバレバレです。

 

この僅かな意味の無い会話に、彼がどのくらいの勇気を振り絞ったか、彼が今何を考えているかは、我々には痛いほどわかりました(T_T)。

 

そして、何より彼の言動が一層痛く感じたのは、メイドさんの対応でした。
表情に変化は無く、それどころか笑顔を浮かべています。
口調は淀みなく、物腰は丁寧で、それでいて冷たくは感じません。
客の現状を把握し、その上で必要十分な行動を取っています。

 

……実に見事でした。接客のプロの仕事です。

 

そして、当然というべきか、彼はそのプロの仕事に気がついていません(T_T)。
自分の事に一杯一杯です。
1キロぐらい離れていても見えるくらいに、空回りしています。

 

……痛いです。ものすごく痛いです(T_T)。

 

彼が、自分の痛さに全く気づかないことが、我々を更に痛くします(T_T)。
そのことが、我々のかっての心の傷に、塩を塗りまくっています(T_T)。
その場から、全力疾走で逃げたくなりました。友人も同様でした。

 

 

 

我々が、そそくさと会計を済ませて、店を出たことは言うまでもないでしょう(T_T)。

 

 

 

「俺達も、昔は、ああだったのかなぁ……」
「あそこまで酷くないと……思いたいけど……」
「傍からみれば……」
「五十歩百歩かも……」

 

オタクになったこと、メイド喫茶に行ったことを、心の底から、後悔しました(T_T)。
私としては、彼が社会と折り合いがつけられる様になった事を祈るのみです。
その店はそこそこ繁盛していたようですが、数年後閉店しました。

 

現在、診療所に行くエレベーターに乗ると、時々上の階のメイドバーに行くお客さんと乗り合わせます。

 

……あの頃のように、量産されたオタクの恰好をしている人には会いません(^^;。

 

 

 

 

写真は、庭で咲いたグラジオラスです。
今年から試してみた紫の花です。

 

 

 

■■□―――――――――――――――――――□■■

こばやし歯科医院

【住所】
〒164-0001
東京都中野区中野5-66-3 木村ビル3F

【電話番号】
03-3388-7887

【診療時間】
月火水金 10:00 〜 13:00 15:00~20:00
土    10:00 〜 13:00 14:30~17:00

【定休日】
木,日,祝

■■□―――――――――――――――――――□■■

TOP